家を出てから思った。
メッセージ返してない!!
私は急いで携帯を出して返事を出す。
『大丈夫です!一緒に、ご飯食べたいです』
というか、家を出たはいいけど、どこに行けばいいのか分からない。
返事待ちかな…。
少し待っていると、すぐに夏目さんから電話が来た。
『はいもしもしっ!』
声が裏返った。
それが分かったのか、電話越しにクスクスと笑う声が。
『亜子?家にいるのかな?』
『や、すみません、メッセージ返すのも忘れて家出てきちゃって、今どうしたらいいかわからなくて』
…素直に言い過ぎた。
ちょっと恥ずかしい。
だってこれ、考えようによっては返事するのも忘れてしまうくらいに楽しみだった、てことにも考えられるよね?
『そんな楽しみだったんだ?嬉しいなあ。…あんまり可愛いこと言ってるとほんとに襲うからね』
今から迎え行くよ、と言って電話を切り、私が今いる場所まで来てくれることに。
「こんにちわ、亜子」
「こ、こんにちわ…」
なんか、改めて私は夏目さんの恋人なんだと思うと、とても恥ずかしくて、くすぐったい気持ちになった。