そう言って、車を降りて、助手席のドアを開けてくれる。

「あ、ありがとうございます…」

なんだろう?
なにか違和感…?

「あの、私、なにかしましたか…?」

急に帰ろう、と言ってきたから不快な思いをさせた気がして聞いた。
…や、まあ、時間的にも、帰った方がいいだろうけど…明日もあるし。

「…あんまりにも亜子が可愛い反応するから、ほんとに襲いそうで…」

夏目さんが顔を少し赤くしながら言った。

…へ?
襲う、って…

あの昼休みのとき話してたような、アレですか?!

「な、何言って…」

私の言葉を遮るように、夏目さんは私をぎゅっと抱きしめた。