「充分…なに?」
ニヤニヤしながら夏目さんが私を見る。
絶対面白がってる…。
「わ、分かってるくせに…」
恥ずかしすぎて顔から火が出そう。
そんな私を見て夏目さんがクスクスと笑いながら、私に近づいてくる。
…な、なに…?
助手席に座っている私に、運転席から身を乗り出して夏目さんの顔が近くにくる。
こ、これは、、、?
「かわいいね、亜子。ほんとに、俺余裕なくなりそう…」
そう言いながら私の頬に触れる夏目さん。
ビクッとしてしまう。
その反応を見てなのか、夏目さんが私の髪を急にクシャッとした。
「そろそろ帰ろうか。」