い、今の言葉はちょっと、きた。

私もちゃんと女の子だったんだと再確認をし、電話を終え、麗奈と共に校舎を出た。

「な、夏目さん…」

ばっと周りにいた女の子たちがこっちを一斉に振り返った。
怖い怖い。

麗奈は、堂々としてろって校舎出る前に言ってくれたけど、無理ぃ。

泣きそうになりながら夏目さんを見る。

くすっと笑って夏目さんは周りの女子に謝りながら私の前に来る。

「待ってたよ、亜子ちゃん。麗奈ちゃんも、ありがと」

うっす、というように笑顔で敬礼ポーズをする麗奈。
ほんと、何をしてもかわいい麗奈。

「す、すみません、ちょっと緊張しちゃって…」

「可愛いこと言ってくれるね、まったく。そういうのは二人きりのときに言ってくれるかな?」

ぼっと顔から火が出そうなくらいに熱くなった。
麗奈と昼休憩の時に話していたのが思い浮かんで…。


「あぁ暑い暑い。夏目さん、あんまり亜子のこといじめすぎないでくださいね?」
麗奈がそれだけ言って歩いて帰って行った。
その後ろには男子が何人か麗奈に声をかけながら歩いていた。

「麗奈ちゃん、やっぱりモテるんだね。」