放課後
き、きてしまった。この時が。
麗奈はにやにやしながら私の元へやってきた。
「どこまで行くの?私も、亜子が逃げないように一緒に行ってあげるわ」
美人スマイル。
この笑顔には裏がある。
せっかくのこのチャンス無駄にすんじゃねぇぞっていうのが笑顔の裏に隠れてる。
怖い怖い、怖いよ麗奈様。
「正門前…」
「え、すぐじゃん。もしかしたらもういたりして?」
教室の窓から正門を見ると、黒い車があった。
…え?
まさかぁ。違うよね?
その車の周りには女子高生が多くいた。
麗奈が窓を開けると歓声が聞こえた。
そのとき、ブーッと携帯が鳴った。
電話だ。
『もしもし…』
『あ、もしもし?今もう来たんだけどさ、すごいね、ここの女子。早く助けてほしいんだけど…』
助けてってどういうことぉ?とかいう声が周りから聞こえている。
やっぱりあれは夏目さんだったらしい。
麗奈は手を振っていた。
『あ、発見。早くおいで』
きゅん