あまりにもぐいぐいとネタバラシを父の前でやるので、コーヒーを一気飲みして麗奈と共に家を出るようにする。

「ちょっと麗奈、それはさ、後で話そう?ね?」

「おい亜子!」

父さんはちょっと焦っているようだ。
私に男の影ができたから。
母は台所でコーヒーを飲みながらにやにやしている。
多分、普通に話したら母は応援してくれそうだ。

…別にそういう関係じゃないけどさ。

家を出た私と麗奈は登校中にさっきの話の続きをする。

「で?なにかあったの?」

絶対聞いてくると思った。

登校中、麗奈をちらちらと見る男子学生。
モテるからなぁ…美人だもん。
そんなのをおかまいなしに麗奈は私に尋問。

「なにか、って言われても…」

思い当たるのは、あの大きな水槽の前でのぼそっと言われた告白くらいだ。

思い出して顔から火が出そうになる。
その反応を見逃さないとばかりに私の顔を覗き込んできた。