「大丈夫だから。俺のおごり」

それだけ言ってスタスタと歩いて行ってしまった。

なんか…私今日お金払ってない気がする。
私はもう既に遠くの方にいる夏目さんを追いかけた。



「あ、そういえば…」

私が夏目さんに追いつくと、小さな箱を渡された。

ピンク色の、リボンのかかった正方形の小さな箱。

「え?なんです、これ?」

「まぁ、家帰ってから開けなよ。」

その後、送る、と言われたその言葉に甘えさせてもらった。

「今日はありがとな。楽しかった」

私も、楽しかった…。
初めてだけど、お付き合いしたらこんな感じなんだろうなって思ったら、すごくドキドキした。

…また、次があったらいいな。
そ、それまでには告白の返事を考えとかなきゃなのかな。

「こちらこそ、いろいろ、、というか全部お金とか払っちゃってもらったりしてすみません。…あ、お茶でも飲んで行かれますか?」