そのまま大きな水槽の魚を見ていると、隣で見ていた夏目さんがぽそっと言った。

「…俺、ほんとに亜子ちゃんのこと好きなんだけど…」

う、ど、どうしたらいい。
ちらっと夏目さんを見ると、水槽から目を離して私の方を向いた。

ドキッ

なぜか私は目をそらす事が出来なかった。
あんまりにも、夏目さんが真剣な表情で見るから…。

「え、っと…」

答えに困っていると夏目さんが、クスッと笑って私に言った。

「まあ、当分は片想いでいいよ。でも、いつか好きって言ってもらえるように俺は頑張るから。…迷惑?」

またさっきの、子犬のような目だ。
ずるい。

「迷惑じゃ、ないです…」

普通に告白するよりちょっと恥ずかしくないですかこれ。
なんつー羞恥プレイ!!