夏目さんと両親をちらりと見ると、夏目さんは驚いた顔をして、両親はふっと優しく笑っていた。

「夏目くん」

「は、はい!」

父さんが夏目さんに言った。

「亜子を、よろしく頼むよ。」

夏目さんが少しだけ止まり、すぐに返事をした。

「はい。幸せにします」

「まだ嫁には出さんがな」

そう言って父さんと母さんは笑った。

私は2人のその会話を聞いて泣きそうになった。
父さんも母さんも、そして夏目さんも、私を思ってくれていることが分かって…。