「亜子さんとは、まだ始まったばかりで、日が浅いですが…とても大切に思っております。何よりもかけがえのない存在です」
な、なんか、結婚の挨拶してるみたい…。
確か前に恋愛小説でこんな感じのなった気がする…。
結婚の挨拶じゃないのに…
どうしちゃったの、夏目さん。
父さんは少しお茶を飲み、息を吐いてから言った。
「まあ、なんだ…亜子も年頃の女だ。彼氏がいたっておかしくはないと思っていた。それに、最近とても楽しそうだ。それは、きっと君のおかげだろう。ありがとう」
父さんは優しく笑った。
それも一瞬。
そして、
「で、君は誰なんだ?名前は?仕事は何をしている」
急に面接っぽくなった。
あ、まあ、確かに夏目さん、自分の名前まだ言ってないよね。