「こんにちわ。本日は急で申し訳ありませんが、ご挨拶をさせて頂こうと思いまして…」
なんか、見たことない夏目さん。
や、いつも運転中とかも真面目な顔して真剣なんだけど…
それとは全然違う…。
「まあ!どうぞー、上がって上がって!」
母さん…すごい上機嫌…。
リビングに入ると、父さんは新聞を読み終わったのかお茶を飲んでゆっくりしていた。
「お父さん!亜子の彼氏が挨拶に来てくれたわよ」
急すぎたのか、ごふっとお茶を吹き出してしまっていた。
もー、と母さんは父さんのこぼしたお茶を拭いて、私と夏目さんに席に座るよう促す。