「どうぞ、お嬢様、亜子様」
亜子様?!
わ、私もなんか、お嬢様になった気分…。
「ありがと、じい」
あまり見たことのない優しい笑顔だった。
麗奈は身内をほんとに大事に思う人なんだと思った。
今までも普通に好きだったけど、今の優しい笑顔でもっと私は麗奈が好きになった。
「さ、亜子。とりあえず髪とエステ、やっちゃおうか」
…すごいんだけどね、規模が。
私は麗奈におまかせで、恐らく麗奈の専属であろう皆さんにあれやこれやと良くしてもらった。
「…これ、私?なんか、すごくない?」
「ふふっ。うちの人間の腕がいいのもあるけど、亜子の本来の魅力よ」
麗奈は腕を組んで得意気に言う。
私の、本来の魅力…?
髪は緩くパーマをかけてくれた。
ほんとは校則的に良くないんだろうけど、ギリギリのラインでやってくれたらしい。
すごい、ふわふわ…。
エステもやってもらったため、肌もつやつやで、顔も少し締まった気がする。