と、とりあえず夏目さんに返事返さなきゃ!
「ご、ごめん麗奈。私朝から夏目さんの連絡気付かなくて返事してないから、今しちゃってもいいかな?」
「ん?それは大変ね、ちゃんとしてあげなさい。じい、出してちょうだい」
「かしこまりました、お嬢様」
じい、と呼ばれた運転手さんはゆっくりと慣れた手つきで車を発進させた。
私は必死に夏目さんにメッセージを送る。
『ごめんなさい!ちょっと朝からいろいろ考えてて気付かなかったんです。風邪も引いてないので安心してください!』
送信すると、すぐに返事が来た。
…し、仕事中だよね…?
『よかった。亜子が元気だったらいいんだ。…でも、考え事なんて…俺で良かったら相談乗るからな?』
きゅん…
夏目さん、優しい。
こういうところほんとに好きだなあって思う。
私の感情が顔に出ていたのか、麗奈がにやにやと私のことを見て言った。
「なぁに?夏目さんになにか嬉しいことでも言われた?好きだよ、とか?」
「ちちちちちちがうよ。夏目さんが、1日返事がなかった私を心配してくれてて、優しいなあって思って…」
麗奈に顔を見られないように俯く。
そんな私の様子を見て麗奈は得意気に言った。
「そんなとこが好きだ、って?そういう顔してるよ。」
麗奈にはもうかなわないや。
すごすぎ。
「ま、まあ、、ね」
私は観念して素直に認めた。