授業が始まり、聞き流しながら夏目さんのことを考えていた。
昨日…
初めてキス、しちゃったな…。
あんなにも、幸せな気持ちになれちゃうのね。
もっともっと、って思ってしまった。

…私、変態なのかな?
でも、きっと好きな人と結ばれて、キスをして…
もっと相手を知るためにも、繋がっていたいと思って求めてしまうのかな?とも思う。

そんなことばかり考えていたら授業があっという間に終わってしまった。

やばい、ノート取ってない!
あとで麗奈に見せてもらおう…。
夏目さんのこと考えててノート取れなかった、なんて言いたくないけど!



お昼休みになり、私と麗奈は話しながら屋上へ。

「それで?…もしかして、行けなかった?」

私は麗奈に朝の続きを聞いた。

「うん…。まあ仕方ないよね。彼は執事で、私はそんな彼の主である父の娘で…。」

いつもとっても元気な麗奈が、悲しそうに俯いている。
思った以上に、難しい恋愛なのかもしれない。