前とは違う制服。
いつもと違う道。
ピンクに染まった景色を私はのんびりと歩く。

笹原 亜子(ササハラ アコ)15歳。
肩までの髪はまっすぐな黒色で、メガネを掛けている。
スカート丈は膝くらい。
今時の若い子って感じではない。

今日は入学式。
最初くらいしっかりしなくちゃ。
曲がり角を曲がった時、誰かとぶつかった。

「きゃっ」

私は後ろに倒れそうになったが、誰かが私の腰に手を当て腕を引っ張ってくれたため、転ばずに済んだ。
抱きしめられるような形になっている、、と思う。

恥ずかしくてちょっと、顔見れないかも…。

「あ、あの…ありが…」

「悪い、大丈夫か?」

私の言葉を遮って聞いてくれた優しくて低い声。
その声だけで私は顔が赤くなったのがわかった。

だって、男性に対しての免疫ないもん…!