スカイブルーのスニーカー

に、目を奪われて立ち止まってしまった。

いつも通り帰った玄関に見慣れない靴。
脇の、底の白い部分に赤と黒のラインがちょっとだけ入っている。

(ケン兄の、じゃない)

それは確か。

ぽかんと玄関につっ立っているとリビングのドアが開いた。

私の顔を見て「あ」という形で口を開いて、
次ににっこりと『彼』は笑った。

「おかえりー」

「・・・ただいま」

知らない男の人だ。
なのに、反射的に返事をしてしまった。

「お昼食べた?
これからだよね?
今ケンイチがオムライス作っているから一緒に食べよー」

にこにこにこ、と彼は笑っている。

「…はァ」

人懐っこく笑う初対面の男の人に、私はまぬけに返事をした。

これが、私と翔太サンの『出会い』だった。