翔太サンは喋るだけ喋った後、「またね」と言い残して背中にギターを抱えたままどこかへ行ってしまった。

「ねえ、ユカと翔太サンってどういう関係なの?」

翔太サンと別れたあと、エリカに突拍子もなく言った。

「へ?」

思わず、まぬけな声が出た。
エリカがじっと私を見ている。

「どうって、翔太サンはケン兄の友だちだけど。」

エリカはしかめっ面で一人でうなって一人で「そうだよね」と納得する間、私はちょっとだけドキマギした。

「ユカに限ってそういうことはないかー」

「失敬な」と思うけど、友人の目は正しい。

ちょっと焦った自分がなんだかおかしかった。