『...着いた』

生徒会室とは反対方向にある少し小さめな部屋に入る

ここには、ピアノ、等身大の鏡、パソコン、ベッドがある

僕は椅子に座り、ピアノを弾きはじめた

かなり難しくて、できる人はあまり居ない

だけど...

『...僕は、まだ...』

ーーーーーーなんだ...

その言葉をはっきりと発することはできなかった

それが僕の耳に届いたら、余計虚しくなるから

どんなに難しい曲をサラっと弾いたって、

運動が出来たって、

頭が良くたって、

僕は......私、は...!

不意に痛んだ古傷に、自嘲的に口角が上がる

...寝よ

生徒会の人達には適当に言っとけばいいでしょ

屋上でお昼寝してたーとか

楽勝だよね、偽りの僕だもん

僕はそんなことを思いながら、目を閉じた