「…じゃあ、笛の情報は“間違い”だったってこと…?」


シラユキくんが、がくっ!と肩を落とした。

すると、イモムシが私たちを見つめて口を開く。


『それにしても、お前たちはよくここまで辿り着けたな。この森は魔法がかけられていて侵入者を拒む。…命を落とす者がいてもおかしくないくらいにな。』


「「っ!!」」


笑って告げられた言葉に、私とシラユキくんは、びくっ!と震えた。

冗談でも脅しでもない真実に体がこわばる。


(ここって、そんなに危険な場所だったの…?!)


イモムシはキセルをくわえながら言葉を続けた。


『悪い事は言わない。私の歌を聴きにきたのではないのなら、早くここを立ち去った方がいい。…どれ、私が安全な道を煙で教えてやろう。煙をたどって森を抜ければ、すぐに出られるはずだ。』


「…!」


それを聞いて、ほっ、と肩の力が抜ける。


(よかった…!無事にこの森を出られるんだ!)