永遠に繰り返される曲と、少々気持ち悪い見た目に若干引いていると、ラジオから流れるBGMが、ぴたり、と止まった。


『んんん…?』


次の瞬間。

ぎょろり!と2つの目が私たちをとらえる。


(っ!)


背筋が凍ったその時。

イモムシはズズズ…!と葉っぱのソファから私たちを見下ろして口を開いた。


『…私の森に立ち入ってここまで来るものがいるなんてな。お前たちは…魔法使いか…?』


どくん!


心臓が鈍く音を立てた。

まるで、肉食動物に目をつけられた草食動物のように体が震える。


「…すっごい………!」


シラユキくんは、なぜか目を輝かせたまま感動に包まれている。


(初めてヒーローもののアニメを見た子どもみたいな反応をしてる場合じゃないよ…!た、食べられる…?!!)


混乱状態の中、捕食に身構えたその時。

イモムシは私の予想をはるかに上回る言葉を発した。


『いやぁ!まさか、ここにお客さんが来るとはなぁ…!私の“かしゅでびゅう”も近いってことか!』