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《オズside》
「っくしゅ…!」
けほけほ、と咳き込みながら窓の外を眺める。
(くそ…!風邪なんかひいてる場合じゃないのに…)
やけにだるい体を恨みながら目を閉じると、コンコン!と家の扉を叩く音がした。
『オズさん、オズさん!』
『お見舞いにきました!』
『あけてあけて!』
(……。)
ギシ…、とベッドから降り、俺はゆっくり扉を開ける。
すると、そこにいたのは、大きな紙袋。
…ではなく、紙袋を懸命に持つ小さな7人の小人たちだった。
彼らは不安そうな顔を浮かべてこちらを見ている。
『おはよう、オズさん…!』
『オズさん、げんきじゃない…?』
「けほけほ…。……げ、元気だよ、ありがとな…」
俺の言葉に安心したように表情を緩める小人たち。
彼らから重そうな荷物を受け取り、中を見る。
『それ、シラユキから…!』
『お見舞い…!』
「…お、おぅ。ありがと…」
何となく、彼からもらったリンゴは食べたくない。
もちろん、気持ちは嬉しいが…