その時、ふいにチェシャが尋ねた。
「ねぇ、シラユキ。その大荷物どうしたの?」
すると、シラユキくんは「あー、これ?」と果物へ視線を落として答える。
「これはオズにお見舞いとしてあげようと思って持ってきたんだよ。」
「!“お見舞い”?」
どきり、として声を上げると、シラユキくんは苦笑しながら続けた。
「オズってば、今、風邪ひいて寝込んでるんだ。僕が看病してるんだけど、なかなか良くならなくてさ。」
(…!風邪…?)
その時、オズが私を助けるために自ら谷に落ち、ずぶ濡れになっていた記憶が蘇る。
(まさか、アレのせいで…?)
ぞくり、と罪悪感が込み上げた
その時だった。
『いたー!』
『シラユキー!』
(?!)
坂の上から、7人の小人たちがこちらに向かって駆けてくる。
虹色の服を着た彼らは、慌てたようにシラユキくんの名前を呼んでいた。
『たいへんたいへん!』
『みつけたみつけた!』
(??)
私たち3人がきょとん、としていると、小人の1人が、ぱっ!と手を広げて叫んだ。
『“真実を歌う笛”が、みつかったんだよ!』
「えっ?!!」