突然の“オズ”の名前にどきり、としたその時。

2日前の夜の記憶が、不意に頭に流れ出した。


“『あっ、“オズ”!もー、やっと出た…っ!連絡つかなくて心配してたんだよ…?』”


“あぁ、悪いな“シラユキ”。通信機が水に濡れたせいで壊れかけたみたいだ。”


(まさか…!)


「あなた、オズと連絡を取っていた仲間の人…?」


「!そうそう。あたり!」


にこにこする彼は、「そっかぁ、あの夜オズと一緒にいたのは君だったのかぁ」と続ける。

ブロンドの髪をふわりとなびかせ、彼は私に軽く頭を下げた。


「じゃあ、改めまして。僕は“シラユキ”。気は使わなくていいから仲良くしようよ。オズの友達なら、きっとエラちゃんはいい子だと思うし…!」


「よ、よろしくね、シラユキくん…!」


(全く疑ってないところ悪いんだけど、私はオズの友達では……)


真実を、ぐっ、と呑み込み、私はシラユキくんに笑い返した。

彼は“いい人オーラ”が体から滲み出ている。

オズとも、相当仲がいいらしい。