即座に反論するオズに、通信機の向こうの彼は『あっ、ごめんごめん』と笑っている。

すると、オズが濡れた前髪をかき上げながら通信機に尋ねた。


「そっちはどうなった?片付いたか?」


『うん!“闇市荒らし”の仲間達はみんなジョーカーに引っ張られて行ったよ。危ない仕事は全部“カグヤ”がやってくれたんだけど。』


(“闇市荒らし”…?もしかして、さっきの犯人達のこと?)


どうやら、オズの仲間が闇市で悪事を働く奴らを取り締まったらしい。

通信機の向こうの彼のセリフに出てきた“ジョーカー”という単語に、びくり!と恐怖を感じた。


(…私も捕まったら処刑…捕まったら処刑…!)


するとその時。

通信機から躊躇するような声が聞こえる。


『…それでね、オズ。もう一つ報告があるんだけどー…』


そんな彼の言葉に「ん?」と答えたオズ。

すると、通信機の彼は、私の想像していなかった爆弾発言を、さらり、と言い放った。


『オークションに出てた笛、“ニセモノ”みたい。』


「「ナンダッテ?!!!」」