どきん…!


その時、記憶の中の点と点が、くっきりとした線になり繋がった。

ウサギさんがオズと同じく“魔力をかき消せる力”を持っていたのも、トレメインと恋人同士のように演じていたのも、全て魔女の契約に縛られていたからだったのだ。


「…エラと最後に会ったのは、牢獄の中だった。キスを交わして、彼女と“魔力”を結んだ。…死に別れても、いつもそばにいられるように。」


どくん…!


私は、ぽつり、と彼に尋ねる。


「ウサギさんは、12時になっても人間に戻らないの…?」


「あぁ。僕はアリスと違って、エラと直接契約を結んだからね。…作り出したものは消えても、姿は魔法使いのままでいられるのさ。」


穏やかに笑う彼に、私は黙り込んだ。


…カチ…コチ…


時計の針が進む音が響く中、私は核心を突く問いを口にする。


「…ウサギさんはずっと、トレメインに復讐するために、あの魔女の味方のフリをしていたの…?」