ガチャ…!
「「!!」」
玄関の扉が開く音がした。
その瞬間、びくっ!と飛び上がる私達。
「ま、まさか、家主が帰ってきたの…?!」
動揺する私に、オズが答える。
「…俺たち、“不法侵入”だよな。」
「!!」
(この国でも犯罪者になっちゃう?!!)
さっ、と血の気が引き、とっさに隠れようとした
その時だった。
「…2人とも、無事に辿り着けたようだね。」
(!)
玄関の向こうから現れたのは、穏やかに笑う白い髪の男性。
彼の姿に、私とオズは、はぁっ…!と息を吐く。
「なんだ、ウサギかよ…」
ほっ、として呟いたオズに、ウサギさんは笑って声をかけた。
「あはは、ごめんごめん。驚かせたかな。」
さらりと謝る彼に、私は尋ねる。
「ウサギさん。ここは一体…?」
すると、桜色の瞳の彼はわずかに目を細めて呟いた。
「…ここは、“エラの恋人だった男の家”さ。その写真に写っているだろう?」
(え…!)