「なんて顔してんだよ、オズ。…お前も泣くなシラユキ。」


ぽん、と2人の頭に手を置いたのは、穏やかな顔をしたカグヤだった。

はっ!として彼を見上げる2人に、カグヤは声をかける。


「オズがこの国に戻れないなら、俺とシラユキが“シオリビト”になって会いに行けばいい話だろ。」


「「!」」


目を見開いたオズに、カグヤはふっ、と笑って続けた。


「待ってろ、オズ。国家試験くらい、1年でパスしてやるよ。」


すると、シラユキくんも、ぱっ!と泣き笑いのような顔をして言う。


「僕も、勉強頑張るからね…!絶対、会いに行くから!」


「お前ら…」


穏やかな顔をしたオズが、安心したように肩の力を抜いた。

彼らのやりとりを見ていたウサギさんも、にこりとして口を開く。


「ふふ。じゃあ、君たちの二次試験の面接は僕がとろうか!志望動機を聞かれて“人間の友達に会うためです”なんて爆弾発言をしない限り、採用にしてあげるよ。」


「この黒ウサギ…」


職権乱用発言に毒づいたオズだが、彼の表情はどこか晴れやかだった。