そう言いかけた瞬間。

オズが、きゅ…!と私の手を握った。

触れ合った肌から、熱が溶けて混じり合う。


「何言ってんだ。あんたは可愛いよ。」


「!」


思わず目を見開くと、ぴくり、と肩を震わせたオズが、ぱっ、と私から目を逸らした。


「す、少なくとも、俺はそう思ってる。…他の奴らは知らないけどな。」


照れ隠しのような彼の言葉がくすぐったい。

にやけそうになる顔を必死で堪えて、ぽつり、と呟く。


「…嬉しい。」


「!」


オズは、私の答えにわずかにまつげを震わせた。

ゆっくりとこちらを向く彼。

至近距離で交わる視線。


すっ…


私の手を握っていたオズの指が、頰に触れた。

包み込むように添えられた指に、どくん、と胸が鳴る。


(あ…)


整った顔が距離を縮め、藍色の瞳がゆっくりまつげを伏せた…

…次の瞬間だった。