体を彼の方に向き直ると、初めて真正面から彼と目があった。


…どくん…!


急に緊張感が高まる。


「…アリス。」


(!)


呼ばれることのないと思っていた私の名前が、熱を帯びた声で聞こえた。

オズは、私から目を逸らさずに口を開く。


「俺はずっと、あんただけを追いかけてきた。」


静かに紡がれた言葉が、胸の奥に響いた。


「いつもトラブルに首を突っ込んで、すぐ無茶をするけど…誰よりも優しくて、まっすぐで。」


オズの瞳が、熱を宿した。

2人の視線が絡まり合う。


「俺は、そんなあんたが好きなんだ。」


「!」


直球すぎる不意打ちの口説き文句に、かぁっ!と全身の体温が上がり、動揺を隠せない私は落ち着かないまま彼に答える。


「そ、そんなことを言ってもらえるほど、私はいい人じゃないよ。元の姿に戻った私は、エラよりも可愛くないし…」