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「さぁ、こちらは20万ダイヤからのスタートです!」


「30万!」


「35万!!」


競売品にどんどん値段がつけられていく。

どうやら、不思議の国では“ダイヤ”というのがお金の単位らしい。

1円が1ダイヤと同等で、お札の種類も円と変わらないようだ。

オークションは手を挙げ申告していくスタイルで、落札額がどんどん跳ね上がっている。


「ウサギさん、すごいねあのオルゴール…!もうあんな値段になってるよ…!」


「あれは眠り姫の城から出てきたオルゴールらしいよ。さぞ安らかな音色を奏でてくれるんだろうね。」


お目当ての笛が出てくるまで、私とウサギさんは観客気分で楽しくオークションを見守っていた。

番号札が次々とあがり、誰もが必死に競り合っている。