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「カグヤ!」
ウサギさんの家を出て、シラユキくんの案内の元、城下町の広場へと走る。
藤色の髪の青年を見つけて声をかけると、彼は、くるりとこちらを向いた。
シラユキくんがカグヤに尋ねる。
「今、どんな状況なの?」
「国のトップや国家公務員が勢揃いだ。加えて、噂を聞きつけた野次馬も大勢いる。…こりゃあ、国の歴史に残るほどの大事件だぞ。」
黄金の瞳を細めたカグヤの言葉に、ぞくり…!と震えた。
“国家公務員”と聞いて辺りを見回すが、シオリビトであるウサギさんの姿はない。
チェシャも彼を探していたようで、顔をしかめて呟いた。
「…ウサギのばか…!笛が見つかったっていうのに、一体どこに行ったの…?!」
…と、次の瞬間。
強大な魔力が広場に放たれた。
ブワッ!!
(?!)
咄嗟に腕で風を凌ぐと、広場の中心から艶のある女性の声が響いた。
「皆さん、ようこそお集まりくださいました。」