いつもと変わらない彼の態度に戸惑いながら目を泳がせる。

すると、「はぁ…」と息を吐いたオズは、買い物袋を下げながら私の横を通り過ぎ、ガチャ、と玄関の戸を開けた。

ぱちぱちとまばたきをしながら彼を見つめていると、オズはちらり、と私を見て告げる。


「まぁ、入れば。…話があるんなら聞くから。」


「…!」


すたすたと歩いていくオズ。

私は、そんな彼に頷いて彼の後を追った。


…パタン。


家の中に入ると、そこにはオズ以外誰もいなかった。

どうやら、今はシラユキくんもカグヤも不在らしい。

オズに促されてソファに腰掛けると、彼はキッチンから私に声をかけた。


「あんたはホットミルク?紅茶?」


「…あ、紅茶で…」


客人のようにもてなされる私は、落ち着かない気持ちでそわそわしていた。

やがてティーカップを2つ運んできた彼は、目の前のテーブルへ優しく置き、私の隣に腰を下ろす。

部屋が沈黙に包まれる中ドキドキしていると、オズがぽつり、と口を開いた。


「…で?あんたは何故ウチに?」


「!」