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《オズside》


フッ…!


辺りに立ち込めていたカグヤの魔力が、一瞬で消えた。

ガーデンの周りには、倒れて動かないゾンビと骸骨。


「…おい、カグヤ。」


俺の声に、彼はふいっ、と顔を向けた。

そんな彼に、低く尋ねる。


「お前の魔法は、魔法にかかった相手を自由に動かせる“催眠魔法”だよな?」


「あぁ、そうだ。今は全員眠らせた。安心しろ。敵は残らず仕留めたぞ。」


「あぁ、お前の腕がいいのは知ってる。…だがな…!」


俺は、キッ!と彼を睨んで声を上げた。


「俺たちにまで魔法をかけることはねぇだろ!」


「おー、悪いな。なんせ範囲が広かったもんで。オズには魔法が効かないからいいだろ。」


「そういう問題じゃねぇよ…!」


俺は、腕の中で眠るエラを見ながら続けた。


「“コレ”どうするんだよ!きっと朝まで起きないぞ!」


「大丈夫だ。シラユキも俺の隣で安らかに眠ってるから。」


「何が大丈夫なんだ…!」