(っ!)


彼の言葉に、はっ!とする。

そうだ、今の問いは、首を横に振らなくてはいけなかったんだ。

肯定はせずとも否定しなければ、私はオズを受け入れると言ったも同然である。


「…ったく、あんたは…」


もどかしそうに呟いた彼は、小さく続けた。


「…そんな顔されたら、怒れなくなるだろ…」


気が抜けた様子のオズは、大きく呼吸をして額に手を当てた。

俯く彼の耳は少し赤い。

きっと、私もオズ以上に熱を帯びているんだろう。


『…ぐ……っ…』


「「!」」


その時、オズの一撃を受けて倒れていた伯爵が、ゆらり、と体を起こした。

その顔は、痛みと怒りで歪んでいる。


『…私の邪魔をした罰を受ける覚悟は出来ているんだろうな…!』


低い声に、オズは私から離れ、ザッ!と構える。

戦闘態勢に入った瞬間、ガーデンに伯爵の魔力が放たれた。


ブワッ!!


毒気に当てられそうなほどの衝撃波が広がったその時。

バラ園の地面から、ぼこぼことゾンビ達が湧き上がってきた。


(ひぃぃぃいっ?!!)


魔力に操られるかのように、屋敷から武器を持った骸骨達も集まってくる。


「…囲んで叩くつもりか…?」


オズが真剣な瞳で敵を睨んだ

次の瞬間だった。