オズのエメラルドの瞳が見開かれた。
彼は、動揺したように口を開く。
「な、何言ってんだ、あんた…!俺は、そんなこと一言も言ってないだろ!」
「!そ、そうだけど…!私に今日のパーティのことを秘密にしたのは、花嫁候補の中に初恋の女の子がいないか、探しに来たかったからじゃないの?」
「んなわけあるか!」
その時。
オズが痺れを切らしたかのように、予想外の言葉を言い放った。
「俺は、あんたが伯爵に目をつけられるのが嫌だったから!」
「!」
「だから、笛の情報が入っても今日のことは絶対言いたくねぇって、思っ…て……」
オズの言葉が、ぷつり、と途切れた。
彼は、はっ、として固まっている。
お互い、沈黙のまま見つめ合う。
(…私のために…?)
どくん、と胸が鳴った。
すると、目を泳がせたオズが、再び険しい顔をして口を開く。
「あんたがここに来たら、笛欲しさに簡単に伯爵の嫁になるとか言い出しそうだろ?」
「!い、言わないよ!」
「じゃあ、何でさっき抵抗しなかったんだよ…!伯爵に、笛の情報を渡す条件として血を吸うのを許したんじゃないのか…?!」
(!)