**

たっ、たっ、たっ…


白い髪の青年を追いかけ、バラの咲き誇るガーデンを進む。


(ウサギさん、どこに行ったの…?確かに、この道を通っていたはずなのに…)


彼との鬼ごっこは、いつも追いつけずに上手く撒かれている気がする。

ウサギさんが、わざと見つからないように逃げているとしか思えない。

はぁ、はぁ、と息を切らし、ガーデンの中心部へと足を踏み入れた

その時だった。


「!!」


視界に映ったのは“古びた棺桶”。

見たこともない重々しい“ベッド”に、背筋が震えた。


(…中に誰かがいる、なんてことはないよね…)


と、嫌な想像が頭をよぎった

次の瞬間だった。


…ガタ…


「!!!??!!」


突然、目の前の棺桶が音を立てた。

呼吸も忘れ、私は金縛りにあったかのように固まる。


(嘘、うそ嘘ウソうそウソ?!!!)


急に頭がパニックになった。

混乱と動揺で思考が飛ぶ。


ガタッ!!


その時。

棺桶が大きく音を立てた。


キィ…!!


自然に開く棺桶の蓋。

どくん!と心臓が大きく鳴った瞬間。

私の目に映ったのは、“亜麻色の髪の毛”だった。


(え…?)