すると、カグヤは、ふっ、と微笑んで答えた。
「一応危険だし、犯罪事にエラを巻き込みたくなかったからじゃないのか?」
(…そうなのかな…?)
私は、素直に受け止められない。
オズは、初対面の時から私が1000万ダイヤを偽装したことを知っている。
今さら、犯罪だからといって私を遠ざけようとするだろうか?
するとその時、チェシャが、はっ!として声をあげた。
「あっ、分かった!オズは、国中から集められた花嫁候補の中から“初恋の女の子”を探すつもりなんだよ!」
「「「!!」」」
いきなり、落雷が落ちたような衝撃を受けた。
すとん、とチェシャの言葉が腑に落ちる。
(まさか…本当に…?)
確かに、恋愛ごととなるとすぐに恥ずかしがるオズのことだ。
初恋の女の子と再会できるかもしれない現場に、“微妙な関係の女の子”を連れて行きはしないだろう。
私と共に行動しているのを見られれば、彼女に誤解されかねない。
(…私に内緒で、彼女を探すつもりだったの…?)