その日もあの男の子はいた。

私は彼の見ている空に視線を向けた。
わぁ…綺麗…。
一瞬、気が抜けると同時に私はバランスを崩し、前のめりに倒れた。

足が…いたい…。
私は這いつくばって松葉杖に手を伸ばすが、力が入らない。

すると、体がふわっと浮いた。
あれ…。
見ると、男の子が私の腕を掴んで、立たせると、松葉杖を渡してくれた。

「…ありがとう。」
迷惑かけちゃった…。
私は逃げるようにお礼を言い、その場から去ろうとしたが、君が私を呼び止めた。

「…待って。」

君は少し申し訳なさそうな顔をして、どうして、そこまで頑張るのか聞く。
私は笑顔で答えた。

「私にはやらなきゃいけない事があるから…」


そして、私と君の秘密の夜の時間は始まった。