「ねぇ美由、私、山本は絶対美由のこと好きなんだと思う」



「何よ、急に。」




何か思い詰めたような顔で言った玲奈に驚きを隠せない




「だってあいつ、美由のことしか見てないもん!」




そう言うと、拗ねた子供のように頬っぺたを膨らませた。



山本くんが...私を...?



考え始めて、すぐにやめた。



「そんなことないよ。山本くんは、みんなに優しいんだから。私だけに特別、ってことはないと思うよ?」




私が呆れていると、ぶつぶつ言いながら、玲奈は席についた。



玲奈がいなくなって、1人机に突っ伏した。



さっきの山本くんの顔を思い浮かべてみる。



...うん。山本くんは、絶対モテる。



文句のつけどころがない。完璧すぎるほどに。



そんな人が私を好きだなんて、あるはずがない