私は先に自分のからだを拭き、そして、マロンのからだを拭く。

あったばかりなのに、なぜか私を嫌がらないマロン。

「マロンの目、まんまるだねぇ。いいなぁ。」

紫音、マロンの茶色の毛とまんまるな目、好き!

マロンと出会って、まもなく2時間。

この2時間でマロンの好き嫌いが分かった。

マロンに好きなものは、

ピンク色、
モフモフするもの、
牛乳、
ボール、
追いかけっこ、
カエルさん、
雨の日、
そして、お風呂。

嫌いなものは、

黒色、
暗い場所、
雷さん、
スリッパー、
カサカサするもの、
喋るオモチャ。

私とマロンの共通点は、

ピンク色、
モフモフするもの、
雨の日、

お風呂が
好きなこと。

雷さん、
スリッパー、
が嫌いなこと。

「マロン・・・なんで捨てられたの?」

すると、マロンは伏せて目をつぶった。

「マロン・・・おやすみ。」

マロンはぐっすりと眠った。

時刻は16時にまわった。

お母さんが電車に乗ってる時間。

雨は、止むことなく、

ザーザーとさらに強くなってきている。

「マロンを、また外に出さなきゃ・・・。」

マロンはそう言った同時に目を覚めた。

マロンはまんまるな目で、私をジーッと見る。

マロン・・・。

もうバイバイ・・・しないと・・・。