それで今、ここにいるってわけ。




「せっかく、せっかくあたしがあの時・・・」




「『あの時』、なんだって?」




幸太君がズイ、とあたしに顔を近づけた。




「っ・・・」




あたしは言葉に詰まった。





「お前、『戻ろう』なんて言うつもりだったんじゃねぇだろうな?」





・・・




そうだあたし・・・




多分、そのつもりだったと思う。





だって、だってあんな顔見せられたら・・・






「あ・の・な!聖は、そんな長く生きられねぇんだぞ?そんな奴と一緒に居て幸せになれると思うか!?」





「なんで・・・そんな事言えるの?
幸太君は、聖が死んじゃう事辛いって思わないの!?」