――― あたし達は病院前にいた。 ハァハァと息を荒げて。 「幸太君っ・・・放して!」 あたしは掴まれていた手を振りほどいた。 「なんで・・・なんでこんな事するの!?」 そう。 あたしがあの時、聖に 【聖、あたし――】 と言いかけていた時だった。 いきなり聖があたしの腕を掴み、 病室を走って出たのだ。 あたしは意味が分からなかった。