医師が病室を出ようとしたとき、




バッチリと目が合った。




医師はすまなそうな顔で軽く会釈した。







「・・・ね、幸太君。
さっきの話・・・聞こえた?」





あたしは小声で尋ねた。






「・・・あぁ」





幸太君・・・悲しそうな顔。




辛いんだね。






「…聖はなんで、手術しないんだろうね…?」





「…分かんねぇ」





「手術しないと・・・聖、死ぬの?」





「・・・多分、な」





幸太君は弱々しい声で答えた。





――――何で?





何で、生きようとしないの?





聖・・・だめだよ。





そんなんじゃ。