「や、あの・・・あれ・・・ですよ。
注射器みたいな・・・」
「あぁ。薬?大丈夫ですよ。・・・助けてくれてありがとうございます」
あたしは素っ気なく返事を返した。
「・・・ああいう連中とつるまない方いいですよ?」
「ははっ。あたしなんかより自分の心配した方いいんじゃないですかぁ?なんせ道端で急に倒れちゃうくらいなんだから」
「ふっ。それもそうですね。」
・・・なんかいいな。
この人の笑顔。
【生きてる】って感じがする。
あたしとは正反対で―――・・・
それからお互い名前を教えあった。
彼の名は【藤ノ宮 聖(huzinomiya sei)】といった。
それから話は途切れる事無く、
気がつくともう2時間以上が経っていた。
「あ・・・、あたしそろそろ帰るね。」
「あ・・・あのっ!」
彼の声にあたしはびっくりして、
勢いよく振り返った。
「な・・・何?」
「僕と・・・」
彼は口ごもり、何秒か考えた後、
口を開いた。
「僕と友達になってくれませんか?」