あたしは女子達に引っ張られて、HRをサボり倉木先輩の居る教室へ向かった。


『倉木先輩♪ちょっといいですかぁー?』


女子達の一人が高い声で倉木先輩を呼び出した。



『あぁ?なんだ、お前等か。今日は何だよ』



・・・倉木先輩・・・こんな口調だったっけ?



『きゃはは♪そう言わずに来て来て~☆』



教室から倉木先輩がダルそうに出てきた。


・・・なんか前と感じが違う・・・



『って・・・なんだよ。そいつも居たのかよ?
何の用?』



【そいつ】とは、あたしのことだろう。


明らかに態度が違う。


これが本当の倉木先輩なの・・・?



『実はぁー、李玖チャンがぁ、倉木先輩が言ってる事嘘だって言うんですよぉ。そんな事無いってあたし達言ったんですけど、聞いてくれなくてー。』



『・・・』



倉木先輩がふっ、とあたしを見る。



あたしは目を合わせないように横を向いた。



『ははっ、李玖チャン、正直者だね♪』



『っ低・・・』



『は?』



『最低。最初からこんな事する為にあんな事言ったの?
こんなくだらない事やってて面白い?』