あたしが中学二年の頃・・・。
それは突然始まった。
部活帰り―――あたしは
学校一のモテ男、倉木先輩に呼ばれた。
『あの・・・俺と付き合ってくれないかな。』
『・・・え』
その頃あたしは彼を全然知らなかったし、
突然だったから返答に困った。
嬉しい気持ちは山々だったけど、
当時は部活に専念したかったので断った。
『ごめんなさい・・・あたし、今はそういう余裕無いから・・・本当にごめんなさいっ!』
何度も頭を下げた。
なにしろ、ファンクラブまである凄い人だったから。
『いや、いいよ。それなら仕方ないよね。』
気にしないで、と、
倉木先輩は笑顔で言ってくれた。
(よかったぁ・・・優しい人だなぁ)
心の中ではそんな事を思っていた。
これから・・・
地獄のような日々が待っているとは知らずに。