しばらくして、扉が開いた。
振り向くと…幸太君がいた。
「幸太くん・・・」
「・・・」
幸太君は黙ってあたしの隣に座った。
そして、あたしの手をギュッと握ってくれた。
幸太君の手の暖かさが――
あたしには辛くて・・・
それでいて心地よくて――、
ますます涙が溢れた。
あたしはいつからこんなに弱くなったんだろう?
こんな・・・
すぐ泣いてしまうようになったのは――
「幸太君・・・あたし・・・」
「お前は・・・頑張ったよ」
そして、あたしの頭を撫でてくれた。
ふと、聖の温もりを思い出す。
「・・・幸太・・・くん・・・」
「・・・慰めてやるって言ったろ?」
「・・・ありがと・・・」
ごめんね。
今だけは・・・
今だけは、こんな弱いあたしを
許してください・・・