医師は、静かに言った。
「…聖君の、近くに居てあげてくれ」
「・・・」
「それと、ご家族の方には、お疲れのようなのでお帰りするよう言っておく。・・・だけど君達は・・・残っていてくれないか?」
「…はい」
あたしは声を振り絞って震えた声で言った。
「・・・李玖、行こう」
「・・・うん」
幸太君があたしの手を引いた。
扉を開けると・・・
静かな顔をして寝ている聖が居た。
「聖・・・?」
聖の頬にそっと触れた。
冷たい。
今までの聖の暖かさが、消えてる。
もう
声を聞くことも
この手を握ることも
聖が抱きしめてくれることも
もう
無いのかな・・・