「・・・あの人達は聖の親だ。
俺等が聖の事でどうこう言える立場じゃねーだろ」
「・・・」
そうかもしれないけど・・・
だけど聖は今
必死で
必死で戦ってるのに。
「・・・あたし、何もできないね・・・」
本当・・・
あたしって無力。
いつも
口だけなんだから。
「そんな事ねーよ」
幸太君の手が、あたしの頭にポンと置かれた。
「俺等が今唯一できんのは、
祈ることぐらいじゃねぇの?」
「・・・」
祈ること・・・?
「あいつは今…頑張ってるよ」
手術室の扉の上には、
【手術中】という字が光っている。
聖・・・
頑張って――。