母親が鼻で笑って、言った。
「ふっ、あの子ならもう無理よ。
助かるわけないわ」
「全く・・・手術代なんて無駄な金払わせて、
本当に迷惑な奴だ」
あたしの中で何かが切れた。
バフンッ!
あたしは持っていたカバンを、
聖の両親に投げつけた。
「痛っ!
何すんのよっ、あんた!?」
「おい李玖、やめろって・・・」
「あんた等、それでも親なの!?
そんな事言ってて恥ずかしくない!?
聖はっ!聖は今必死で、頑張ってんだよ!」
「なっ・・・」
止まらない。
許せない。
聖をそんな風に言うなんて。
「そんな事言うなら、
あんたは一体何のために聖を産んだの!?
いじめるため?捨てるため!?
そんな事しかできないなんて、
どうかしてるっ!!」
「李玖っ!」
幸太君が、あたしの腕を引っ張った。
「もうやめろって、お前・・・
疲れてんじゃね?休んでろ」
「っ・・・」
「すいません、こいつ、ちょっと今混乱してて・・・」
何で?
なんでこんな奴等に頭を下げるの?
どうして?
「幸太君、何で・・・?
聖の事あんな風に言われて、悔しくないの?」